企画展 シルクロードの至宝 2009 (3)
作品紹介 その2。ラスター彩のタイル。12世紀頃の作品。 カーシャーン。

日常の器は金属製のものを使っていたので、ラスター彩のような金属風の
光り輝く陶器が好まれました。
ラスター彩というのはとても難しい技術で、専門の職人集団がいたと考えられています。
不思議なことに、ラスター彩というのはある場所で急に作られるようになって
ある時期を境にぷっつり廃れ、また別の場所で急に作られるようになり・・・を
繰り返しています。
その繰り返しは政権の交代と重なるようで、
政情が不安になると職人集団たちは別の安全な場所へ・・・と移動していたそうです。
まさに「陶は政なり」。
それだけ人気のあったラスター彩ですが、
なぜか13~14世紀以降は制作されなくなります。
陶芸家 加藤卓男さんはこのラスター彩に魅せられ、
長い長い試行錯誤を重ねた結果、
復活させることに成功しました。
余談ですが、千代延先生が発掘調査をしている頃、
加藤卓男さんも現場にちょくちょく訪れたそうです。
カテゴリ : 企画展(アンティーク)