企画展 シルクロードの至宝 2009 (2)
展示作品から、何点かピックアップして・・・
今回DMにも掲載しました蓋物、これは明時代の陶磁器です。
明の時代、正徳帝(1506-1520)という皇帝は、
とてもイスラム美術やイスラム文化を好み、
自身でもイスラム風の洋服を着たり、
民衆にも豚肉を食べることを禁じたそうです。
イスラム美術に傾倒した結果、イスラム文字の入った陶磁器もつくらせました。

イスラム文字の入った陶磁器は、この正徳帝の時代しか作られず、
また現存する作品も世界中で数点・・・と非常に希少です。

文字も文様の一つですね。
ぷつぷつぷつ・・・と穴が開いたようになっていることから、
多分この作品が海から引き揚げたであろうと推測できます。
陸のシルクロードではなく、海路で運ばれ、ずっと海の中で眠っていたのでしょう。
日本でも、もう少し時代が下ると伊万里焼に代表されるような
青と白の陶磁器がつくられるようになります。
海外でも 『Blue&White』 と呼ばれ、好まれたスタイルですね。
カテゴリ : 企画展(アンティーク)