ガレ オンベル文花器

Web Museum
『ガレ オンベル文花器(1890年頃)』
日本の伝統的な文様として親しまれてきた宝尽くしは、
吉祥・招福を願う気持ちが形になり、
着物や器物を飾ってきました。
この形は、金嚢からイメージを得たものではないでしょうか。
金嚢とは巾着をさし、巾着文・金貨文・袋文ともいわれ、
巾着は銭貨・お守り香料を入れるものであり
昔から大切にされてきました。
家紋の文様としても用いられ、
「二つ袋、三つ袋、角袋、丸袋」といった種類があります。
当時、日本からは相当な数の文様帳も輸出され、
とても興味深く受け入れられたのでしょう、
イギリスのロイヤルウールター窯でも似た器形の作品があります。
巾着には必ず模様が入るので、
ガレはなじみ深いオンベルの花を描いたのでしょう。
ジャポニズム(日本趣味)の好例です。
でも、このぽこぽこっとした形、
おだんごのようにも、シャボン玉のようにも見えて
かわいいですね。
カテゴリ : Web Museum (アール・ヌーヴォー)