とーきち パリ日記 2009.10 (9)
estampes japonaises (6)普通、TVで報道されたりするオークション風景は、
落札したら、落札者がパドルをあげて自分の番号を伝えます。
そのためにオークション参加者は、事前登録をして、パドルをもらわなくてはなりません。
さて今回のオークションは、もっとシンプル。
オークショニアの他にもう一人、競り上がる数字を伝える人がいて、
その人が落札者に落ちた作品の番号札を渡します。
落札者はオークション終了後、その番号札をキャッシャーに持っていき、
確認して精算。
だから事前登録も、パドルもなし。
「じゃあ、途中で帰っちゃったりして、作品を引き取らなかったらどうなるの?」
ご心配なく。
初めて落札した場合には、身元確認のカードを渡します。
感心したのは、オークショニアの手腕

やはりオークショニアにもうまい下手があるわけで・・・
この女性はうまかった。
まず競り方がていねい。
価格によって競り幅は大体決まっているのですが、
この人は状況によって競り幅を変え、メリハリをつけていました。
普通、オークションは結構時間がかかるので、途中でだれてしまったりするのですが
それがなかった。
これは、すごいことです。
自分も競る側ではなく、オークショニア側、つまりオークションハウス側の仕事経験者なので、
感心してしまいました。
中だるみがあると、当然落札率も悪くなり、落札価格も低くなります。
いかに参加者を退屈させないか。
すべてがオークショニアの手腕にかかっているのです。
そういった嫌なムードも全くなく、久しぶりにオークションらしいオークションに
参加したなぁ・・・と思いました。
場の雰囲気もよかったし、やはりオークションは盛り上がらないと

ビジネスとして考えれば、少しでも安く手に入れたいですけれどね。
後で聞けば、このオークションハウスは版画に強いところで、
このオークショニアもうまいと評判とか。
やはりオークションハウスにも扱う作品の得意分野はあります。
4時間くらいのオークションでしたが、終了後しばらくは魂が抜けてました・・・
くたびれた
