名所江戸百景
Web Museum広重 名所江戸百景 水道橋駿河台

広重 作 「名所江戸百景」 の一図。
色数の多さ、摺り線の細かさ、全体に残るキラ、
幅広マージンなどから極初期摺の作品と考えられる。
*キラ ・・・ 雲母刷り。バックに雲母を刷り、光沢を出す技法。
広重 名所江戸百景 川口のわたし善光寺

広重 作 「名所江戸百景」 の一図。
こちらも今刷り上がったばかりのような、初期摺と思われる。
広重 名所江戸百景 高田の馬場

広重 作 「名所江戸百景」 の一図。
色数の多さ、摺線の細かさ、全体に残るキラ、
幅広マージン、そして的の部分は 「布目摺」 と呼ばれる
その名の通り布の目のようになっている。
こちらも初期摺と思われる。
まだまだ impression について、そんなに
言われなかった20年も前の話。
この3点はロンドンのオークションに出品された。
今まで見たこともない、
「今刷り上がったばかり」といっても不思議ではないほど
フレッシュなのである。
競売である以上、最高値をつけた人に落札する。
オークション前の下見会でも
これらの作品 一体いくらくらいになるのかと
業者仲間では興味深々であった。
もちろん estimate といって落札予想価格が出てはいるが
耳に入っていくる情報では、とてもじゃないがそんな価格では
落ちないだろう・・・
最後まで手をあげていれば落札する。
しかしそれではいくらになるかわからない。
また、業者としてやることでは、ない。
オークション当日。
さて、気になるお値段は・・・
レコード(新高値)でした。
え? もちろん落札しました。 3点とも。
狭い世界、ニュースが駆け巡るのは早い。
帰国して「馬鹿値で買ったなぁ!」とほうぼうで言われましたが
必死になって 3点とも販売できました。
まずはめでたしめでたし。
しかし・・・
今思えば、お安いお買い物であった。
ピンの作品は、いつの時代も値段はつく。
いい勉強になりました。
カテゴリ : Web Museum (浮世絵)